賃貸借契約書を作成したい

以下、住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)を「法」、住宅宿泊事業法施行規則を「規則」、国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則を「国交省関係規則」と呼んで説明いたします。

民泊ホストと管理業者との間の契約

法は、民泊ホストが、家主不在型の民泊を営業する場合には、管理業者に住宅宿泊管理業務を委託しなければならないと規定しています(同法11条1項2号)。また、家主居住型であっても、客室の数が、民泊ホストによって全てを適切に管理できない数である場合には、同様に、管理業者に管理を委託しなければなりません(同項1号)。そして、管理業務を委託するにあたっては、その全部を契約によってなされなければならず(規則9条1項1号)、その場合、管理業者は民泊ホストに対して「民泊業務の対象となる届出住宅」「民泊業務の実施方法」「契約期間」「報酬」「契約更新または解除に関して」「その他」に関する事項を記載した書面を交付しなければなりません(法34条)。

従って、民泊ホストと管理業者との間で管理委託契約書を交わす必要があることになりますが、これについては、国土交通省が「住宅宿泊管理受託標準契約書」(以下「標準契約書」)を策定しております。

http://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/sosei_const_fr3_000050.html

 

標準契約書の内容

(1)標準契約書の頭書には、契約当事者だけでなく、民泊ホストについては都道府県知事等への届出番号及び届出年月日、管理業者では国土交通大臣への登録番号を記入する欄が設けられています。これは、民泊事業を行うに当たり、民泊ホストは都道府県知事への届出が必要であり(法3条)、また管理業者は国土交通大臣の登録を受ける必要がある(法22条)ことを受けてのものです。

そして、管理業者が委託を受ける事業を、①宿泊客等(民泊ゲスト)への対応に関する業務、②清掃衛生業務、③住宅・設備管理及び安全確保業務の3つに分類した上で、別表に規定する形式が取られています(標準契約書別表1乃至3)。特に、①のうち、本人確認方法については、その具体的な方法を記入する形となっています。

(2)他にも、住宅宿泊事業法等の規定を踏まえて設けられたものとして、次のような事項があります。

まず、管理業者が、委託業務の全部を第三者に再委託することは禁じられています(法35条)が、個別に定めることで一部業務を再委託することについては認められています(国交省関係規則14条6号、標準契約書5条、別表4)。

また、民泊ホストは、民泊ゲストとの契約締結の代理又は媒介を他人に委託するときは、住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託しなければなりません(法12条、標準契約書11条1項)。

その他、民泊ゲストとの宿泊サービス提供契約についての責任(標準契約書11条2項)、宿泊者情報の共有(標準契約書9条1項、11条3項)なども住宅事業者事業法等の規定を踏まえたものといえるでしょう。

また、業務委託契約の重要な要素として、書面による説明が必要な事項とされている(法33条)ものとして、報酬(国交省関係規則14条4号、標準契約書6条)、費用(国交省関係規則14条5号、標準契約書7条)、責任及び免責に関する事項(国交省関係規則7号、標準契約書14条)、契約期間(国交省関係規則8号、標準契約書4条)、契約の更新及び解除(国交省関係規則9号、標準契約書4条、同15条、同16条)が挙げられます。

(3)さらには、一般的な業務委託契約に付随するものとして、管理業者の報告義務(標準契約書9条)、守秘義務(標準契約書12条。民泊ホストと民泊ゲストの双方に対して)、契約終了時の取り扱い(標準契約書17条)が定められています。

 

終わりに

標準契約書は、国土交通省も認めるとおり、「全国を適用範囲とする契約書の雛形として作成したものであり、標準的な管理業務において最低限定めなければならないと考えられる事項について、合理的な内容を持たせるべく作成したもの」です。実際に、標準契約書を使用する場合には、地域慣行、物件の構造や管理の態様等により、実情に即した契約内容にする必要があります。また、両者の力関係から是正が必要な場合が生じることも考えられます。

契約締結の前に、是非ご相談ください。

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